新型コロナウイルスが流行して以降、世間では在宅ワークでの働き方が広がってきました。
そういったことに伴い、就労継続支援B型でも在宅就労という、自宅で支援を受けながら働くスタイルが広まってきています。
就労継続支援B型で在宅を利用するにはどうするの?
在宅で利用することのメリットは?
在宅での仕事内容は?
一方で、B型事業所は原則通所利用となっているため、在宅就労は例外的に認められるという扱いになっています。
在宅利用の判断基準は自治体によっても異なるため、B型事業所を探す際に事前に相談するよう心掛けましょう。
以上のような疑問に対して、本記事では就労継続支援B型での在宅支援の利用について説明していきます。
就労継続支援B型で在宅ワークを利用する方法
就労継続支援B型で在宅ワークを利用するには、まず在宅支援を行っている事業所を探す必要があります。
また、以下の2つの条件は最低満たすことが必要となってきます。
- 本人が在宅勤務を希望している
- 在宅ワークによる支援効果があると市町村が判断した場合
以下のいずれにも該当する場合に基本報酬の算定が定められています。
- 常に在宅利用者が行う作業活動、訓練等のメニューが確保されていること。
- 1日2回は連絡、助言又は進捗状況の確保等の支援が行われ、日報が作成されていること。また、作業活動、訓練等の内容又は在宅利用者の希望等に応じ、1日2回を超えた対応も行うこと。
- 緊急の対応ができること。
- 在宅利用者が作業活動、訓練等を行う上で疑義が生じた際の照会等に対し、随時、訪問や連絡による必要な支援が提供できる体制を確保すること。
- 事業所職員による訪問、在宅利用者による通所又は電話・パソコン等のICT機器の活用により、評価等を1週間につき1回は行うこと。
- 在宅利用者については、原則として月の利用日数のうち1日は事務所職員による訪問又は在宅利用者による通所により、在宅利用者の居宅又は、事業所内において訓練目標に対する達成度の評価等を行うこと。
- ➄が通所により行われ、あわせて➅の評価等も行われた場合、➅による通所に置き換えて差し支えない。
B型事業所は通所利用が原則であるため、在宅利用は例外的に認められるという扱いになっています。
新型コロナウイルスの流行のピークが過ぎ去った現在では、在宅利用を原則として認めないという自治体も出てきています。
そのため、今後は在宅利用が認められるための条件が厳しくなる可能性には注意が必要です。
在宅勤務に向いている人
在宅勤務が向いている人の特徴としては以下のようになります。
人混みが苦手
人混みや人間関係、通勤によるストレスは多くの人にとって大きな負担ですが、在宅勤務はこれらの問題を解決する手段の1つとなります。
自宅で安心する環境で働くことで、心身の負担軽減につながります。
体調に波がある方
体調が不安定な方にとって、在宅勤務は安心できる働き方です。
自分の体調に合わせて休憩や作業時間の調整ができ、通院や療養とも両立がしやすく、感染症のリスクも軽減することができます。
その他にも、ストレス軽減、安心感、柔軟性、自己管理の向上といったメリットもあります。
育児・介護などで外出が難しい方
子育て中や介護中の方でも、自分の都合に合わせて働けるのが在宅勤務の利点の1つです。
通勤時間が不要な点も利点の1つとなっています。
通勤時間の削減や自宅でのリラックスできる環境で、仕事と家庭の両立を支援します。
利用するには
在宅で就労継続支援B型事業所を利用するには、以下のような手順が必要となってきます。
市町村の障害福祉課や相談支援専門員に相談するか、インターネット検索等で探しましょう。
在宅対応をしているかどうかを事前にチェックが必要となってきます。
気になる事業所があった場合、電話やメール等を利用し相談してみましょう。
受給者証が届いたら、希望するB型事業所と正式な利用契約を結びます。
初めての方は、相談支援専門員と一緒に手続するのも安心です。
在宅での働き方を通じて、自立を目指していく事は意義深いものになっています。
自分のペースで業務に取り組みながら、スキルを磨き、少しずつ自立した生活が実現できます。
就労継続支援B型の在宅ワークにはどのような作業があるのか

就労継続支援B型が提供している在宅ワークは主に2種類になっています。
以下では、2種類の作業の内容を説明していきます。
※作業内容は事業所によって異なってきます。希望の作業が可能かどうか、事前に確認を行うことが大事です。
IT系・パソコンを使った作業の在宅ワーク
IT系・パソコンを使った作業の中身としては、
- エクセルやワードを用いたデータの入力
- 簡単なデザインやグラフィック制作
- SNS運用やブログ投稿
- WebライティングやWebサイトの作成
などの作業を取り扱うB型事業所が存在しています。
IT技術の進歩やIT系の人材不足から、ニーズに合わせた作業が提供されている点が特徴となっています。専門性が高い作業がある一方で、簡単な作業もあるため、パソコンが苦手な方も始めることが可能です。
軽作業・内職の在宅ワーク
- 商品の組み立てや検品
- 梱包作業
- 手芸などによるハンドメイド商品の制作
- チラシや広告物のセット作業
などの作業を取り扱うB型事業所が存在しています。
軽作業・内職では、障害の特性やスキルの有無を問わず誰でも取り掛かれる作業が提供されている点が特徴となっています。
作業に必要な道具などは郵送やB型事業所の職員が訪問し、自宅に届けます。
作業マニュアルに従い、完成したものをB型事業所に渡すまでが一連の流れとなっています。
在宅ワークのメリットデメリット
B型事業所では通所利用が原則となっており、在宅利用は例外的に認められる位置づけになっています。
B型事業所は「就労の機会を受ける場所」以外にも「福祉サービスを受ける場所」という役割を持っているため、在宅利用ではきめ細かな支援が提供しにくいと考えられています。
その一方で、在宅ワークを利用している利用者・事業所からは「通所とは違う良さがある」「支援の幅が広がった」という声も聞こえてきます。
以下では、B型事業所を在宅ワークで利用する際のメリット・デメリットについて話していきます。
メリット

B型事業所のメリットには以下のようなものがあります。
通所による移動の負担が少ない
通所による移動の負担が軽減され、体力を温存できるだけでなく、通所準備や交通機関の混雑によるストレスからも解放されます。
また、通所時間が無くなることで、睡眠時間や休息時間の確保をすることができます。
体調に合わせて仕事をしやすく、体調管理がしやすい
体調が優れない時は無理せず休憩したり、作業を中断したりすることができ、通院等が必要な方も仕事との両立をすることができます。
自身の心身の状態に合わせて作業を行うことができます。
慣れている環境で、自分のペースで作業に取り組める
自分の好きな場所でリラックスした状態で作業に取り組むことができ、慣れた環境で作業に取り組むことができます。
集中しやすい環境で、周囲の音や視線を気にせず作業に集中でき、プレッシャーが軽減され、自分のペースで作業に取り組めます。
通所時や事業所内など、人の多い場所を避けることができる
利用者の中には感覚過敏を患っている方もおり、そのことが原因で周囲の雑談や物音に悩んでいる方にとっても在宅での作業は負担がかからないためメリットになります。
デメリット

B型事業所の在宅ワークには以下のようなデメリットがあります。
サポートを受けにくい場合がある
通所に比べスタッフからの支援が受けにくく、事業所からの情報伝達が遅れることや相談しにくい状況になることがあります。
コミュニケーションを取る機会が少ないため孤立しやすい
他の利用者やスタッフとの交流機会が減ることで孤独感を感じやすくなり、相談相手が少なく不安を感じやすいです。
作業時間とプライベート時間の切り替えが難しくモチベーションの維持が難しい
在宅勤務では、周囲の誘惑が多く集中力の維持が難しく、仕事とプライベートの境界線が曖昧になり時間管理が難しくなることがあります。
作業環境を整える必要がある
在宅勤務では、作業環境として自宅の環境が作業に適しているか事前に確認する必要があります。
また、家族に在宅での作業について理解と協力を得ることが重要となってきます。
就労継続支援B型から一般就労は目指せるのか
就労継続支援B型で在宅ワークをしている方が一般就労に移行することは可能となっています。
しかし、B型事業所から一般就労へ移行できた人は全国平均で約1.3%となっており、難易度は高く難しいことになっています。
一般就労に移行するためには、B型事業所を安定して週5日利用できているかどうかが問われてきます。
加えて
- 障害や病気の症状が安定しているか
- B型事業所よりも厳しい環境で就労できる状態か
- 一般就労が可能なスキルが身に付いているか
このような点も判断の基準となっています。
B型事業所の利用中に改善すべき点がある場合は、その課題を見直すことが大切になってきます。
B型事業所から一般就労を目指す流れとしては、
B型事業所 ➡ A型事業所・移行支援 ➡ 一般就労
このような流れが一般的となっています。
目標として将来的に一般就労をしていきたいことは素晴らしい目標ですが、目先の課題を一つずつ解決していき、焦らずにステップアップしていきましょう。
在宅勤務を利用する際の注意点
在宅勤務を利用する際には、いくつかの注意点を確認しておく必要があります。
事業所によって方針が異なるため、事前の確認が重要になります。
事業所の対応を確認する
すべてのB型事業所で在宅勤務が利用できるわけではないため、事前に事業所に確認しましょう。
利用にあたって事前に事業所に確認し、制度の内容や条件、サポート体制などをしっかりと把握しておくことが大切です。
規則を守る
在宅勤務でも、事業所が定める勤務時間を守ることが大切です。
労働時間管理は重要であり、始業・終業時刻を記録し、事業所に報告しましょう。
連絡を適切にとる
報告・連絡・相談は、在宅勤務におけるコミュニケーションの基本になっています。
在宅勤務では、作業中に困っったことや分からないことがあれば、すぐに事業所に相談することが大切です。
問題解決を早期に行うことで、作業の遅延を防ぎ、スムーズな進行に繋げることができます。
よくある質問
まとめ
B型事業所における在宅利用は、様々な事情を抱える人で通所が困難な方にとっては心強い選択肢の一つとなっています。
就労継続支援B型で在宅を利用することで、ご自身のペースで働くことができ、自分に合った働き方をすることができ、無理なく長く続けることができます。
紹介したメリット・デメリットを参考に、まずは地域のB型事業所や相談支援事業所へ相談し、自身に合った最適な働き方を見つけていきましょう。
- 就労継続支援B型を在宅で利用することは可能だが、原則通所利用となっているため、必ず在宅で利用することができるとは限らないため注意が必要
- 就労継続支援B型の在宅ワークには、大きく分けて2種類あり、「IT系・パソコン系」「軽作業・内職」となっている
- 「通所の負担がない」「自身の体調に合わせて働きやすい」「自身に合った作業環境を整えやすい」という点が大きなメリットとなっている
- 「困りごと等をすぐに相談しにくい」「作業面や生活習慣において自己管理が求められる」という点が大きなデメリットとなっている
- 一般就労への移行は可能ではあるが難しいため、まずは就労継続支援A型・就労移行支援を目指して焦らずステップアップすることが大切となっている


