B型事業所を利用しながら
アルバイトってできるのかな?
B型事業所の利用中にアルバイトしていることがばれたらどうなりますか?
上記のような疑問を持っている方も多くいると思われます。
令和4年度の就労継続支援B型事業所の平均工賃は17,031円となっています。
B型事業所の工賃は低額なことが多く、事業所の収入のみでは生活費をまかなうのが難しくなってしまっているのが現状です。
そういったことから、就労継続支援B型を利用している人の中でも、B型事業所を利用しながらアルバイトの併用を考えている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、就労継続支援B型を利用しながらアルバイトの併用を考えている人や、併用する際の注意点などを解説していきたいと思います。
就労継続支援B型事業所の基本的な仕組みと対象者
就労継続支援B型事業所は、障害や難病などにより一般企業での就労が難しい方が、働く場所や訓練の機会を得られる福祉サービスを提供する場所です。
通所型の支援でありながら、雇用契約を結ばず、自分のペースで働くことができるため、無理なく働きたいという方に選ばれています。
対象者
対象者は精神障害・知的障害・身体障害・難病があり、以下のいずれかの条件を満たした人たちになっています。
- 就労移行支援などを経ても、すぐには一般企業で働くのが難しい方
- 年齢や体力、体調の問題から継続的な雇用が難しい方
- 就労経験があり、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった人
- 50歳以上の人
- 障害基礎年金1級受給者
- 就労アセスメントでB型事業所が適当と判断された人
B型事業所の主な特徴
以下のような特徴から、B型事業所は利用する人にとって、無理なく社会とつながりたいと考え、大きな支えになっています。
- 雇用契約を結ばない非雇用型の就労支援
- 利用者は工賃(作業に応じた報酬)を得ながら作業訓練が可能
- 週1日~でも利用することができ、自分の体調に合わせた働き方が選べる


就労継続支援B型とアルバイトの併用について
基本的には就労継続支援とアルバイトは併用することができません。
短時間のアルバイトであっても、事業所から支援を受けずに一般就労することが可能な程度、就労に関する能力が高まっているのであれば、サービスの利用対象者になじまないと考えられているためです。
就労継続支援は、一般就労が困難な方を対象として就労支援を行っている福祉サービスとなっているため、利用者が一般就労に移行した際、その後のサービスの利用継続を想定していない自治体が多くあります。
アルバイトが原則禁止されている理由

就労継続支援B型でアルバイトが原則禁止されている理由は以下のようなものが挙げられます。
- 就労継続支援B型を利用できなくなる可能性があるため
- 障害年金が支給停止となることがあるため
- 住民税の課税対象となる可能性があるため
就労継続支援B型を利用できなくなる可能性があるため
就労継続支援B型作業所を利用しながら副業やアルバイトをしていると、一般就労に移行できると判断されることもあるため注意が必要になってきます。
もし一般就労が可能だと判断された場合、就労継続支援B型の受給資格が取り消されるため、B型作業所を利用できなくなります。
障害年金が支給停止となることがあるため
就労継続支援B型事業所と併用して副業やアルバイトをしている場合は、合計した年収の金額に注意が必要です。
原則、前年の取得額が4,721,000円を超える場合は、受給している障害年金の金額が支給停止となります。
また、3,704,000円を超える場合は、受給している障害年金のうち2分の1が支給停止となりますので注意しておきましょう。
このように、障害年金の支給金額に影響することから、就労継続支援B型事業所では、副業やアルバイトが原則禁止とされています。
住民税の課税対象となる可能性があるため
就労継続支援B型事業所と副業、アルバイトの合計年収が100万円を超える場合、住民税の課税対象となります。
そのため、副業やアルバイトをしながら就労継続支援B型事業所を利用している場合は注意が必要です。
実際の事例
就労継続支援でアルバイト原則では禁止とされていますが、事業所と行政の許可を得ていれば例外としてですが認められるケースも存在します。
- トライアル雇用中の施設外支援
- 一般就労中(非常勤)、就労を行わない日の日中活動サービス利用
- 市町村の判断により、一般就労中の利用が認められているケース
併用が認められた場合であっても、就労継続支援をどのように活用して、どれくらいの期間で目標を達成していくのか明確にする必要があります。
アルバイトと併用可能かどうかは自治体の判断になります。
就労継続支援を利用しながらアルバイトを考えている場合、まずは自治体や事業所に相談してみましょう。許可が出た場合、アルバイトとの併用をすることも可能です。
利用者が知っておくべきこと
ここでは、利用者様目線で知っておくべきことをピックアップして解説します。
労働基準法との関係
労働基準法は、労働者の基本的な権利を守るために定められた法律となっています。
就労に関連する最低限のルールが示されており、あらゆる場面で参考にされています。
就労継続支援B型では、一般的な雇用契約を結ばず、あくまで福祉サービスの一環として位置づけられたものになっています。
そのため、労働基準法のすべてが直接適用されるわけではありません。
利用者が活動する上で、適切な環境や基本的な安全配慮が守られるべきであるという点は、共通しているところとなります。
B型では、働いた報酬は賃金ではなく、工賃という形で支払われます。
工賃は最低賃金の対象外とされているため、労働基準法との関係が現状薄くなっている点になります。
B型事業所を利用する際には、制度上の特徴を理解しつつ、自分自身を守るための知識を持つことで、安心に繋げることができます。
もし、権利障害にあたるような対応を受けた際は、自治体や労働関係の相談窓口に問い合わせることが大切になってきます。
税金に関する知識
就労継続支援B型事業所を利用している方にとっても、税金の知識は欠かせません。
特に、所得税がどのように計算されるかを知っておくことは重要になってきます。
確定申告が必要になるかどうかは、年間の所得額によって分かる仕組みになっています。
例えば一定額を超える収入がある場合は税務署への申告が必要です。
申告を怠ると、後々問題になる可能性があるため、早めに準備することが大切です。
また、障害者控除や医療費控除などを活用することで納める税金を抑えることも大きなポイントとなってきます。
税金の仕組みは、複雑と感じる人も多いですが、地域の相談窓口を利用すれば基本的な流れを知って対応できるようになります。
注意点
就労継続支援B型事業所を利用しながら副業を行う場合は、いくつか注意点があります。
契約内容の確認
労働時間や報酬、対象となる業務範囲が明記されているため、条件をきちんと守る必要があります。
特に清掃業務や軽作業などでの短時間勤務を併用する場合でも、規定を無視して行わないことが重要です。
作業所の規定
利用者が副業を持つことで、作業所の活動にかかる時間や負担に影響が出ないように調整することが求められてきます。
場合によっては、事業所の職員と相談し、併用が可能かどうか事前に確認することで安心することができます。
時間管理
本業となる作業所での活動を優先しつつ、副業の時間を調整することで、生活全体のバランスが保たれます。
ただ、短時間であっても副業をするのは大変です。
副業が原因で体調を崩してしまったり、事業所への通所が疎かになってしまう可能性もあるため、副業との併用が認められた場合でも、事前によく考えておく必要があります。
B型とアルバイト併用のメリット・デメリット
B型事業所とアルバイトの併用は、メリット・デメリットを理解した上で、慎重に検討する必要があります。
メリット
収入の増加
アルバイト収入は、生活費の足しになるだけでなく、将来のための貯蓄や趣味に使えるお金が増えるなど、経済的なゆとりにも繋がります。
社会経験の拡大
様々な職場での経験は、コミュニケーション能力やビジネスマナーなど、社会性を身に付けるうえで貴重な機会となります。
自信や達成感の向上
働くことは、自己肯定感を高め、自身に繋がります。目標を達成したり、人に感謝されたりすることで、充実感を得られます。
スキルアップ
アルバイトを通して、様々なスキルや知識を習得することができるため、将来の就職にも役立ちます。
デメリット
B型事業所の利用目的とのズレ
アルバイトに集中しすぎて、B型事業所での訓練や活動がおろそかになってしまう可能性があります。
サービスの利用制限
アルバイトとの併用が認められても、B型事業所で利用できるサービスが制限される場合があります。
心身の健康への影響
アルバイトとB型事業所の両立は、心身に過度の負担がかかり、体調を崩してしまう可能性があります。
ストレス、睡眠不足など心身の健康に影響を及ぼす可能性があります。
特に長時間労働や体力を要する仕事は、体調に負担をかけるため慎重に選ぶ必要があります。
就労継続支援を利用している間の生活費

就労継続支援B型で得られる工賃だけでは、生活費をまかなうことが難しく、生活していくうえで不安に思うことがあるでしょう。
その際は、以下のようなものを活用するとよいでしょう。
家族の援助
就労継続支援を利用している方の中には、家族と同居したり、援助を受けながら生活している人も多くいます。
経済的にフォローをしてもらうと、生活費等で不安が解消されるため、安心して事業所の利用をすることができ、一般就労などの目標に向かって準備することもできます。
生活面で苦しい場合は、一度家族に相談してみるとよいでしょう。
障害年金
就労継続支援を利用中の生活費を補うために、障害年金を受給するのも選択肢のひとつです。
障害年金は、病気やケガなどが原因による障害のために、日常生活や労働が制限される場合に受け取ることができます。
障害年金と障害者手帳は全く別の制度となっているため、手帳を持っていなくても障害年金は請求することができます。
障害年金の請求方法などの詳しい内容は、お近くの年金事務所にお問い合わせください。
生活保護
生活がどうしても苦しい場合は、生活保護を受給することも検討しましょう。
働いていると生活保護を受給できないのではないかと心配する方もいらっしゃるかと思いますが、働いている場合でも収入が最低生活費に満たない場合は受給できます。
最低生活費は、憲法第25条で保障されている、健康で文化的な最低限度の生活を送るために必要な生活費のことで、世帯の人数、年齢、健康状態、住んでいる地域などを基準として計算されます。
申請に関してですが、お住いの自治体の福祉事務所で行うことができます。
参考:生活保護制度 厚生労働省
よくある質問
まとめ
- 就労継続支援とアルバイトの併用は原則出来ない
- 自治体によっては併用が認められる場合がある
- お金に困っている際は、障害年金や生活保護の活用
就労継続支援とアルバイトは原則併用することは出来ません。
自治体の判断によっては、併用を認める場合もあるので、事前に障害福祉課や事業所に確認を行いましょう。
就労継続支援で得られる工賃だけで生活費をまかなうのは難しいですが、必要に応じて障害年金や生活保護などの社会保障制度を活用しながら、無理のない範囲で働き、一歩ずつ進んでいきましょう。
就労継続支援B型事業所とアルバイトの両立は、将来のステップアップに向けた選択肢の一つになっています。
ただし、無理のない働き方や制度とのバランスが重要になってきます。
疑問に思うことがある際は、1人で悩まずに事業所のスタッフや相談支援専門員、市区町村の窓口に相談しましょう。


